皆さんこんにちは、シロネコ書房です。
鉄フライパン、良いですよね。
野菜はシャキシャキ、お肉はジューシーに仕上がる魔法の調理器具です。
(※鉄フライパンについてもっと詳しく知りたい?そんなあなたはこの記事をチェックだ!)
しかし、鉄フライパンというと「お手入れが大変」「管理が面倒」という印象が強いのか、なかなか手を出しにくいモノだと思われている方が多いようです。そこで今回は、鉄フライパンに必要なお手入れの「実際のところ」を紹介。
「鉄フライパンを買ったけど扱い方がよく分からない」という人や、「興味あるけど手を出せていない」という方、必見です。
鉄フライパンのお手入れ
高温調理、繊細な火加減調節が可能な鉄フライパンは、料理好きにとって欠かせないアイテムの一つです。
そんな鉄フライパンと長く付き合っていくためには、日々のお手入れが欠かせません。
「鉄」という素材の特性故に、これをしっかりやらないと、調理中に食材がくっついてしまったり、焦げ付きやサビが発生してしまいます。
あ、今「面倒くさそう」と思ったそこのあなた!大丈夫、それほど大変なことをするわけじゃないですよ。
ただ、使い始めと使い終わりに少しだけ愛情を注いであげる、それだけなんです。
鉄フライパンのお手入れには、
- 使い始める前のお手入れ(焼きこみ&油慣らし)
- 使い始め~1か月頃までのお手入れ(油返し)
- 毎回のお手入れ
の3つがあります。
ただ、上の二つは使いはじめの頃だけの作業なので、すぐにやらなくてよくなります。
そう聞くと、「あれ、そんなにやることないのかな」と思いませんか?実際、その通りなんです!
ではでは、順番に解説していきますね。
使い始める前のお手入れ(焼き込み&油返し)
焼きこみ
買ってきたばかの鉄フライパンには、製造から飼い主の手元に届くまでの間に製品が錆びないようにするためのコーティング(アクリル樹脂など)がされています。
これをそのままにして調理をしても体に害は無いのですが、鉄フライパンにとって大切な油のなじみを阻害してしまいます。
油のなじんでいないフライパンには、食材がくっつき、焦げやサビが発生しやすくなってしまいます。事前にこのコーティングを除去するのはとっても大切なことなのです。
そのコーティング除去をする過程が「焼き込み」です。
高温でフライパンを熱し、コーティングを除去していきます。
焼き込みの手順は以下のようになります。
焼き込みの手順
- フライパンの表面をスポンジと洗剤で洗い、水気をしっかりふき取る。
- フライパンを中火で加熱し、温まり出したら強火でさらに加熱する。
- フライパンの中央部分が変色してきたら、コーティングが除去され始めた(気化し始めた)証拠。フライパンを傾けたりしながら、全体のコーティングを除去していく。
- コーティングを除去し終わったら、そのままコンロの上で手で触れる温度まで冷ます。
- 再びスポンジと洗剤で表面を洗い、水気をしっかりとふき取る。
- フライパンの内側と外側の表面に、キッチンペーパーなどで薄く油を塗る。
以上が焼き込みの手順になります。
作業の注意点として、焼き込みの最中はコーティングが気化しますので、しっかり換気をしながら作業を行うようにしてください。
また、高温のフライパンを水で急激に冷まそうとすると危険です。フライパンが変形する恐れもありますので、十分注意しましょう。
この焼き込みが終わったら、次の油慣らしへと進みます。
油ならし
油ならしは、文字通りこれから使い始める鉄フライパンに油をなじませる作業です。
新品の鉄フライパンをそのまま調理に使ってしまうと、それはもうぴったりと肉や野菜が表面にくっついてしまいます。
こうなってしまうと、最悪の場合、肉はボロボロ、野菜はズタズタ、フライパンの中は地獄絵図と化してしまいます。
そうならないために、あらかじめフライパンに油をなじませることが必要になるのです。
油ならしの具体的な手順はこうです。
- 食器用洗剤でフライパンを洗い、清潔な布巾で水分をしっかりふき取る
- フライパンを弱~中火で温めたら、食用油をフライパンの1/3程度まで入れる。
- 全体に油をなじませるように、弱~中火で5分~10分ほど加熱する。
- 終わったら、火を止めて油をオイルポット等に移す。
- キッチンペーパーで、フライパンの内側と外側にまんべんなく、油をいきわたらせるように拭く。
- より油を馴染ませたい場合は、くず野菜(野菜のあまり等でOK)を炒める
以上が油ならしの手順です。
新品の鉄のフライパンを買ってきて『速く使ってみたい!』という気持ちが湧くのも分かりますが、まずはグッと我慢。
その後の使用感と寿命の向上にもつながる大事な作業なので、最初にしっかりと行うようにしましょう。
※焼き込み~油慣らしまでの分かりやすい動画(0:00~2:44 部分)
「鉄フライパンの育て方」新品購入後の焼き込み(空焼き)&油ならしの方法
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油返し
「油ならしも終わったし、今日から本格的に鉄フライパンを使って料理をするぞ!」
、、、と意気込んだものの、あれ?思いのほかお肉がくっつくぞ?なんでだ!ちゃんと油慣らししたのに!
という方がいましたら、ごめんなさい、実は油ならしだけでは十分ではないんです……。
鉄のフライパンは、何度も使うことで油がなじみ、より食材がくっつきにくく、そして扱いやすくなっていきます。
しかし、使い始めて間もないころは油のなじみが甘く、食材がフライパンの上を滑るような使い心地はまだ望めません。
油がフライパンになじむまでは、ちょっと面倒でも、調理前に毎回油を馴染ませてやる必要があるのです。
それが、油返し。
返し、なんて名前がついてますが、やることは油ならしとほとんど一緒です。
それもがっつりやる必要はないので、油慣らしの簡易版の様なものだと思ってもらえれば大丈夫です。
手順はほとんど油ならしと同じですが、一応解説すると
- フライパンを弱~中火で温めたら、食用油をお玉一杯分ほど入れる。
- 全体に油をなじませるように、弱~中火で5分ほど加熱する。
- 終わったら、火を止めて油をオイルポット等に移す。
- キッチンペーパーで、フライパンの内側にまんべんなく、油をいきわたらせるように拭く。
- 再度フライパンを加熱し、少し煙が出る程度まで温まったら、必要な量の油を入れて調理開始!
以上が油返しの手順になります。
油の量や加熱時間が、油慣らしよりも少なくなっていますね。くず野菜を炒める必要もありません。
油を投入する前にフライパンを加熱するのは、そうすることによってより油がなじみやすくなるからです。
調理前にこの一手間を加えるだけで、その後の調理が劇的にスムーズになります。
新しい鉄フライパンを買ってきたら、使用開始から約1か月は毎回この油返しを行うようにしましょう。
フライパンに油がなじんで黒くなってきたら、油返しはもう行わなくてOKです。
※油返し分かりやすい動画
普段のお手入れ
ここからは、鉄フライパンを使う上で必須の毎日のお手入れについて書いていきます。
油がしっかりなじんだフライパンでも、この先の工程を大事にしないと錆びたり焦げ付いたりしてしまうので、面倒に思わず、愛情をもって行うようにしましょう!
調理前にやること
新品のフライパンを使う場合には、調理前に上記の油ならし & 油返しを必ず行うようにしましょう。
油がしっかりなじんだ鉄フライパンであれば、調理前にやることはほとんどありません。油を入れる前にしっかりフライパンを加熱すれば、そのまま調理に移行できます。
調理後にやること
調理後のお手入れは
- 洗浄
- 空焼きと油の塗付
の二つになります。
まず洗浄ですが、フライパン表面の汚れをキッチンペーパー等で軽くふき取った後、まだ温かいうちにお湯で洗います。(高温の場合は少し冷まします。)
ここで最大の注意点!
鉄フライパンの洗浄には、食器用洗剤は絶対使ってはいけません!
洗剤を使ってしまうと、これまでにコツコツとなじませてきた油の膜が分解されて無くなってしまうからです。
そうなったらまた一から油を馴染ませなければならず、せっかく育ってきたフライパンが台無しです!。
よって鉄のフライパンを洗う際は、お湯だけを使って、金たわしやアクリルたわしでこすり洗いをすればOK。洗い終わったら、布巾等で水気を拭き取ります。
この点は特に、自分以外が鉄フライパンを扱う時に注意をしてください。
「洗い物を家族に任せたら、10年育ててきた鉄フライパンを洗剤で洗われてしまった!」
なんて事態も十分考えられます。
人間関係の悪化にもつながりますので、鉄フライパンの扱い方を知らない人がキッチンに立つ際には、洗剤を使わないよう一言添えるか、「鉄フライパンは自分が洗うから!」と声をかけるようにしましょう。
(僕も一度彼女に洗剤で洗われてしまって、頭が真っ白になったことが……)
洗浄が終わったら、次は空焼きと油の塗付を行います。
フライパンを十分に加熱した後に、キッチンペーパー等で表面に食用油を少量塗りましょう。
これを行うことで、サビを防止するのと同時に、フライパンへの油なじみをよくできます。
以上が、調理後のお手入れになります。
焦げは水でふやかしてとる!
調理後にフライパンに焦げ付きが生じてしまった場合には、すみやかにお湯につけて焦げをふやかします。
その後、金たわし等でこすり洗いをして焦げを取り除きましょう。
それでも落ちない頑固な焦げ付きが出来てしまった場合には、金属製のヘラやフライ返しでガシガシやってみましょう。これで案外取れてしまったりします。
しかしこれをやると、焦げが取れた部分は油がなじんでいない状態に戻ってしまうので、油ならしを再度行うようにしましょう。
使えないほど焦げたりサビたりしてしまったら
手入れをさぼりにさぼってしまうと、酷いサビと焦げ付きで手の施しようがなくなってしまうことがあります。
そうなってしまったフライパンには、一旦リセットをかける必要があります。
まず、フライパンを強火でこれでもかというくらいまで加熱し、焦げを完全に炭化させます。
その後、手で触れられるまで冷ましたら、金属のヘラやフライ返し等を使って焦げを除去していきます。
目立つ焦げが取れたら、サンドペーパーで全体を磨いて細かい焦げも取り除いていきます。
最後に、金たわしとクレンザーを使って(ここではOK)フライパンの全体を磨き洗いします。終わったら、しっかりと水気を拭き取ります。
これで焦げ付きをきれいに除去できますが、洗剤で洗ったためにフライパンは鉄がむき出しの状態に戻っています。
ここからは、5分程度の空焼き後に油慣らしを行って、再度油を馴染ませていきましょう。
これでリセットは完了です。
まとめ
以上が、一通りの鉄フライパンのお手入れ方法になります。
え?やっぱりやること多いじゃないかって?いやいや、きっと文章で読んだからそう感じてしまっただけですよ!は、さてはあなた普段本を読みませんね!?これがメンタリズm(ry
しかし実際にやってみると、本当に意外なほど簡単にできてしまうのが鉄フライパンのお手入れです。
最初こそ戸惑うかもしれませんが、慣れてしまえば流れ作業ですべてが終了してしまいますよ。
母親から「ずぼら大臣」の役職を拝命した僕が4年も続けられているんだから、間違いありません。
また、最後のリセットの項目を読むと分かるように、鉄のフライパンは何度でも再生することができます。
まさに無敵。不死鳥。これぞ一生ものの調理器具と言えますよね。
しかし、リセットできるからと言って普段のお手入れをサボるのはご法度!
常日頃から愛情をもって、大切に育てていくことが大事なのです!
そうすれば、きっとフライパンもあなたに応えてくれるはずですからね。
あなたの手で、世界に一つだけのフライパンを育ててみてください。
それでは、今回はこの辺で!
ではでは、またまた
※焼き込みや油返しの必要がない最強のフライパンはコチラ!